胆のう・胆管の病気(胆石・胆のう炎・ポリープなど)
胆のう・胆管とは
胆のうとは
胆のうは、肝臓の右下にある臓器で、西洋梨状のような袋の形をしています。
胆のうは、肝臓で作られた消化液である胆汁を一時的にためておき、水分を吸収して濃縮する機能を担っています。
食事の際に胆のうは収縮し、胆汁は主に脂肪の消化を助けるために、胆のう管と通って十二指腸へ流れていき、消化活動に加わります。
胆管とは
胆管(肝外胆管)は、肝臓から十二指腸をつなぐ胆汁(たんじゅう)が通る管のことです。
長さは約10~15cmで、太さは0.5~1cmの管です。
胆汁は肝臓で生成される黄褐色でアルカリ性の液体で、食べ物とまじりあって、脂肪の吸収を助ける働きがあります。
胆のう・胆管の病気の種類
胆石症
胆汁の成分が固まって石状になり、胆管や胆のうに溜まる病気です。
具体的には、脂肪の過剰摂取によってコレステロールが固まり、胆汁が石のようになってしまい、胆のうに溜まります。
女性、肥満、中高年に発症することが多いとされている病気です。
必ずしも痛みを伴う訳ではなく、症状が出ない場合は日常生活に支障を来たさないことも多いため、検査によって始めて見つかる場合があります。
痛みなどの症状が見られない場合は、特に治療をせずに経過観察をする場合があります。
痛み以外に炎症が生じている場合には、薬物治療や内視鏡による治療、超音波による破砕治療などが行われる場合があります。
胆石の大きさや位置によって治療法が異なりますが、痛みがないくらいのケースであれば、飲み薬で石を溶かせる場合もあります。
胆石は、血液検査にて発症の可能性を疑うことができます。
胆のう炎
胆のう炎とは、胆のうの中に結石ができる胆石症や細菌感染などが原因で起こる胆のうの炎症です。
胆のう炎の症状は、食後に起こる肋骨辺りやみぞおち周辺の痛みがよくあげられます。
炎症が強くなるにつれて、右肩や背中にも痛みが広がる場合があります。
さらに悪化すると、大きく息を吸っただけで激痛が走るようになります。
発熱、吐き気、嘔吐、食欲不振を合併する場合も多いです。
そして、黄疸(おうがき:目や顔が黄色くなること)や肝機能障害が表面関する場合もあります。
胆のう炎のほとんどは、胆石が原因で発症するとされています。
近年では、胆のう炎と喫煙との関連性も指摘されています。
胆のう炎には、急性胆のう炎、慢性胆のう炎、無石胆のう炎、気腫性胆のう炎などさまざまなな種類があります。
急性の場合は腹腔鏡などによる手術による摘出手術が必要になります。